有痛性外脛骨で前部の痛みが取れなかった症例
理学BODY大阪店の肩です。
有痛性外脛骨の筋膜調整の経験数はかなり多いと自負しておりますが、うまく結果が出ないこともあります。
今回は両側の有痛性外脛骨のバレーボール選手の筋膜調整の症例報告です。
正直、結果は出ているとは言えないレベルで結構悩んでいる症例です。
基本情報
19歳 大学2年生
女性
バレーボール 高校時代は全国出場レベル、大学も推薦
主訴 バレーの時(ジャンプの踏み込みや、練習の走り込み)の時の痛みを減らしたい
経過
小学生の頃から両側の有痛性外脛骨
捻挫も繰り返しているが、有痛性外脛骨の方が昔にあったかも?(本人談)
接骨院とインソールで騙し騙しやっていた
大学進学とともに石川に来たけど、治療をせず痛みが増悪
コロナの時に1ヶ月程度安静期間があったけど、圧痛は減らず、現在歩行時痛もあり
実は僕が病院に所属している時に担当していた選手です。
退職の関係もあり3回しか見ることができませんでした。
インソールが得意な後輩に引き継ぎをしたのですが、疼痛が悪化してきて連絡があったので施術することになりました。
既往歴
小学生の時に捻挫多数 (有痛性外脛骨よりも前)
生理不順 1年位こなかった (高校時代)
有痛性外脛骨が出たあとに、これらの怪我、症状がでているので時系列的に仮説が立てにくかったです
捻挫の時期が不明なことと、生理不順は高校時代なので間違いなく有痛性外脛骨よりあとなので、仮説としては足関節捻挫の影響を第1と考え、悪化や治りにくい原因が生理不順などの内部障害にあるのではないかと考えました。
評価
■圧痛評価
最近は5箇所チェックしているのですが、今回の選手は①上部、②前部、③最突出部に熱痛を認めました。
両側ありますが、左の方が圧痛、歩行時痛、ジャンプの踏み込み時痛がありました。
■筋膜の評価
水平面(外旋-内旋)と前内側のラインの筋膜の固さが多くありました
前内側は浅筋膜の固さがあり、本人も自覚できるくらいパツンと張っていて、伸張するとかなり痛みが前内側のラインに生じました。
筋膜への施術
水平面のラインと浅筋膜を施術するプランを考案しました。
病院時代は水平面のラインで効果がでいたので、まずチェックを込めて水平面の施術から始めました。
内側広筋上、後脛骨筋上、長母指屈筋上と施術していくと、最突出部の圧痛は減りましたが前部の痛みは全く変化なしでした。
そこで前内側の浅筋膜への介入へ切り替えて行いました。
かなりパツンとしていて、痛みもあったためマイルドな動きからははじめていき、20分くらい前内側の浅筋膜へ介入しました。
結果は微妙に減るけど、まだ前部の痛みは残存しました。
動作として歩行時痛はほぼなくなりましたが、ジャンプの踏み込み時痛は残存。
本人の主訴であるバレーする時の動きでの痛みは取りきれませんでした。
▼結果はこちらです。
今回の反省点
前回、といっても半年前に効果があったラインを優先して施術してしまい浅筋膜への介入が不十分だった可能性がある。
既往歴からの仮説が曖昧だけど、これだけ経過が長いので単純な捻挫からの影響だけでなく、生理不順などの内部障害の影響があるかもしれない。
次回、もう少し内部障害の既往がないか(喘息、吐き気、下痢・便秘など)を詳細に問診して、内部障害由来の仮説が立つか否かを精査していこうと思います。
オープンチャットで話しましょう!
有痛性外脛骨で前部、上部の痛みが取りきれないことが多いです。
臨床で有痛性外脛骨を施術している方がいれば、是非オープンチャットでディスカッションしましょう。
有痛性外脛骨は筋膜の施術が効果的な症例が多いので、是非周りの悩む選手を一人でも減らしていきましょう!
有痛性外脛骨を基礎からまとめたnoteもあるので、興味がある方は是非そちらもご覧ください!