アキレス腱炎の方への筋膜調整

こんにちは。
アキレス腱炎の患者さん、お客様を見ることはありますか?
スポーツ整形時代は2−3ヶ月に1回程度でしたが、自費整体をやり始めてからアキレス腱炎のお客様を見させていただく機会が増えました。
コロナ期間中で部活や、ランニングをする人が減って一時的に減りましたが、また最近多くなってきている印象です。
今回はアキレス腱炎で悩む陸上選手への筋膜調整の症例報告です。
割とシンプルですけど、アキレス腱炎でも見落としてはいけないポイントがあります。
基本情報
20代 男性
クラブで陸上
100m
県内ではかなり上位の成績
評価
■圧痛
アキレス腱の内側
背屈時の礫音はなし
肥厚している症例では背屈でギシギシという音?抵抗感を感じることがあるが、今回の症例はなかった。
■動作
両足カーフレイズで疼痛
踏み込むような動作で疼痛
■既往歴
足関節の捻挫 複数回 高校、大学時代
仮説
シンプルに足関節捻挫の影響による筋膜代償と考え
触診は 足部 足趾 を360度行うことにしました。
触診の結果
足指の後外側 腓骨とアキレス腱の間の溝、踵骨の外側緑上
足部の後外側 腓骨の後縁
この結果から後外側のラインが影響していると仮説を立てました。
追加の触診
後外側のラインを足趾から腰部まで触診していくと
膝関節の後外側 大腿二頭筋の内側部でTFLの後方
股関節の後外側 坐骨結節と大転子の間
特に股関節の後外側の高密度化があると評価しました。
施術
股関節の後外側の施術を行った結果、両足カーフレイズの疼痛はかなり軽減しました。
この結果から、初回の施術として後外側のラインをの施術は合っていると考えました。
その後の施術は
膝関節の後外側
足指の後外側
足部の後外側
を行いました。
これにより踏み出しの痛みも軽減しました。
▼施術結果は以下の動画を見てください。
この症例のポイント
冒頭でも述べましたが、割とシンプルな症例だと思います。
でも、この方は結構思い入れがある症例です。
というのも、20分の外来整形で働いていた時代は仮説も不十分、アプローチするのは患部周辺で結果が全然出ていませんでした。
頭には「筋膜全然使えねーじゃん」って思ってた時期です。
でもちょうどこの時期から半田先生(TRIGGER)のもとへ筋膜修行をいき始めた時期でした。
結果が出なくて悩んでいると
「やることはシンプルに。触診をしてどのラインか仮説を立てて、そのラインを長軸で広げて触って、一番動き悪いところを見つける」
とアドバイスをもらいました。
時間がないからという理由で、仮説不十分で患部中心のアプローチって、筋膜の施術でもなんでもなく、ただのマッサージなんですよね。
筋膜の施術の重要な部分は、既往歴を聴取して、仮説を立てて、患部以外もしっかり介入することにあると思います。
外来整形だと時間がなくて、ついつい自分流にアレンジしてしまいがちですが、それでは成長できないし、仮説検証ができません。
繰り返しになりますが、触診をしてどのラインか仮説を立てて、そのラインを長軸で広げて触って、一番動き悪いところを見つけるが筋膜の施術の肝です。
時間がないなら、業務後同僚や、知り合いを呼んでしっかり手順通り施術する練習をしてみてください。
僕たちの筋膜修行時代の動画もみてみてください。