両側の症状=内部障害由来ではない

両側の症状ときくと、つい内部障害由来と考えたくなりますが、実際の臨床ではそうとは限りません。
先日両側の有痛性外脛骨の選手を施術したのですが、内部障害の影響は少なく、僕の判断としてはそれぞれ筋骨格系の筋膜代償が生じていて症状が出ていたと考えました。
今回はその症例のついて解説していきます。
患者情報
13歳 男性
サッカー
1月頃から痛みがあったけど、サッカーしていたらこれくらいの痛みはあって当然と思っていて放置
コロナ期間部活はなく、安静にしていたが痛み変化なし
接骨院でインソールを作ってもらい痛み軽減したが、圧痛は変化なく接骨院から紹介
■疼痛
両側外脛骨のトップが強い(右>左)
右利きなのでインサイドは右で蹴るので、プレー上都合が悪いのは右
右は下方の痛み、左は後方の痛みもあり
■既往歴
内科的なものはなし
便秘傾向かな?くらい
下肢の大きな怪我もなし
捻挫はあったかな?くらい
これだけだとついつい内部障害由来だ!となってしまいそうですが、個人的には足の使い方に気になる点があったので、まずは足部からの影響を考えて右下肢を中心に評価をすることにしました。
筋膜の評価
右
内側広筋上
下腿1/3で後脛骨筋の筋膜上
母趾外転筋上
腓骨筋上
両側
小臀筋上
第11肋骨の先端
という感じでした。
一応内部障害の可能性もゼロとはせず、途中から再評価できるように幅をもさせて評価しましたが、個人的には1回目の施術としては筋骨格系でいくと決めました。
筋膜の施術
右
内側広筋上
母趾外転筋上
の施術で圧痛はほぼゼロ
バランスと取るために腓骨筋上を施術したら、ストレッチポールで叩いても痛みはゼロまで持ってこれました。
時間も20分しかかからなかったので、そのまま左の施術をすることに。
感触的に左もすぐ良くなると思って施術したのですが、かなり苦戦しました。
高密度化がある順番に
左の
内側広筋上
母趾外転筋上
下腿1/3で後脛骨筋の筋膜上
小臀筋上
と内旋のラインを施術しても変化なし。
確かに高密度化はあって、改善したのですが変化なし。
拮抗を施術してから再度変化を見ようと思い、外旋ラインの短趾伸筋上の筋膜を施術すると圧痛はかなりとれました。
トップの痛みはほぼなくなり、後方の痛みだけやや残存。
ストレッチポールで叩いても痛みは出ないレベルにはなりました。
翌日もボールを蹴れたみたいで良かったです!
施術を振り返って
正直最初は筋骨格系だと思って、評価していきましが、左の苦戦具合をみるともしかしたら、内部障害だったのかもしれないと反省した症例です。
でも最初に立てた仮説を後半にひっくり返しては、検証ができず2回目以降の施術に活かせないので仮説を信じて施術しました。
今回一番何が言いたいかというと、両側=内部障害と当てはめると失敗することがありますが、次はこのバイアスにかかりすぎて、すべて筋骨格系で攻めても取りきれないことがある。
なので、1回でもちろん結果はだすつもりですが、2回目に来てもらって仮説検証することが、お客様の痛みを改善するために必要だし、セラピストとしての成長としても必要です。
自信持って内部障害だ!って言えない場合は、僕は割と筋骨格系の仮説から責めることがあります。
もしみなさんが経験した内部障害由来の疼痛のお客様がいたら是非シェアしてください!